論文データと学会ページ2007年01月16日 00:42

URLは、2000年12月頃のもの。

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論文データと学会ページ

 国語学関係の論文を探すのに有用なものに「国語学研究文献総索引データ」がある。以前市販されていた1954-1985年のデータにキーワードを付したもの(国語学会と国立国語研究所による)は、既に1999年から公開されていたが、国立国語研究所が作成した1986-1991年のデータも、2000年10月末から追加公開されている(http://www2.kokken.go.jp/kokugokw/bunkenkw.html)
 また『国語学』誌では、1950年から、一年あるいは二年ごとに、学界を振り返る「展望」を行っているが、国語学会では、その展望をデータベース化したものを作成し、公開に向かって執筆者の了解を得ようとしている。「『国語学』:「展望」記事データベース」(http://jcs.aa.tufs.ac.jp/sjlDB/SJS/)が、それであるが、執筆者の著作権に配慮しつつ公開を考えるのはありがたいことである。なお、既に『国語学』200号までの記事一覧・索引が作成・公開されている。また同学会のページ(http://www.jpling.gr.jp/)には、その他に研究会情報の掲示板や新刊案内もあり、非常に有用なページとなっている。
 なお、計量国語学会(http://www.sccs.chukyo-u.ac.jp/math-ling/)でも、既刊号の目次データを載せているし、日本言語学会(http://www.tooyoo.l.u-tokyo.ac.jp/~lsj/)でも、『言語研究』101号以降の目次情報や研究会の案内を載せている。日本語文法学会(http://www.lingua.tsukuba.ac.jp/sjg/index.html)もある。

 論文を探す、ということに話を戻すと、国文学研究資料館(http://www.nijl.ac.jp/)のデータベースの中の「国文学論文目録」では、国語学関連の論文も拾える。また、論文を探すために人物についての情報を求めることもあるが、それについては、例えば、「没年調査協力会」(http://page.freett.com/Schuricht/aozora/itiran.html)や、皓星社のデータベース(http://www.libro-koseisha.co.jp/top01/main01.html)などを参照。なお「インターネットで公開されている各種の目録・書誌のうち学術的な関心に耐えうるものを収録・公開」という、岡本真氏の「生成する目録」(http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/BIBLIO/bibliography.html)は、本連載でも既に第20回で後藤斉氏の取り上げたものだが、再び載せておく。

 論文目録以外のデータとして特筆すべきものに、国立国語研究所の言語変化研究部第1研究室(http://www.kokken.go.jp/hogen/)の提供する方言データがある。これは『方言文法全国地図』1-4のデータであるが、このようなデータが無償で利用出来ることは非常にありがたいことである。

 ところで、インターネット上に公開されているデータの形式で気になる点がある。OSに依存したり、ソフトに依存したりする形式のあることである。ソフトに依存といっても、PDF形式の様に、OSに関わらずフリーのビューアのあるものなら良いのであるが、ワード・エクセル・桐など特定のソフトでしか読めないデータのみを置いてあると困る。また、テキスト形式であっても、Windows上でしか圧縮を展開することの出来ない自己解凍書庫であったりするのも困る。MacやUnixでも、zipやlzhは展開出来るのだから、テキスト形式のデータをzipかlzhで圧縮したものを1つだけ置いておけば済むと思うので、データを公開される方には考えていただきたいと思う。
 そういえば、CD-ROMでデータを配布する際に、ハイブリッドCD-ROMにしているものを見ることがある。Mac用のソフトがなくデータだけなら、わざわざMac用のHFSフォーマットで書き込む必要はなく、Windowsと同じISOフォーマットでよいので、ハイブリッドにしてディスク容量を減らすことはないと思う。データベースの条件として「機種に依存しない」ということは必要だが、そのためにはハイブリッドにしなければならない、と考えるのは硬直した条件であろう。

インターネット言語学情報(38)論文データと学会ページ
『言語』30巻2号(大修館書店)平成13年2月1日 p97-96
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